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2007年09月15日(土) 16時14分

民主よ、福田氏が勝ったら康夫VS康夫はどうだろう?ツカサネット新聞

9月23日に投開票される予定の自民党総裁選。福田氏と麻生氏の対決を見ていると、自民党に期待していない人間は、テレビのマスコミの大騒ぎに一週間という時間を浪費させられてしまう。福田氏と麻生氏のどっちが勝っても、大手マスコミが騒ぐような、大げさな日本の命運をかけるまでの総裁選なんかであるわけがない。命運がかかっているのは、自民党である。

自民党に関心がない人は、見方を変えればいい。外野の民主党の立場からも、総裁戦を考えて見るのも1つの方法だ。民主党は麻生VS福田の総裁選の結末で、決断力と見識の福田氏が勝つのを嫌がっているが、民主党はきちんと分析しなおすべきだ。

私は、パフォーマンスと意外性の麻生氏のほうが民主党にとってはやっかいだと思うのだ。福田氏では、高齢者の票は集められても、麻生氏のように若者の票は集められないだろう。

小沢一郎氏は、参議院選挙で少し無理をしてでも日本中の田舎を行脚して支持を訴えた。しかし、福田氏は70歳を超えている。政治の見識はあっても、ここ半世紀で一番過酷な一大選挙と予想される次の衆議院選挙に、日本中を絶叫して駆け回れるだろうか? 9月中旬の状況では、本命だったはずの麻生氏がピンチである。

麻生氏の誤算は、内閣改造したばかりの安倍氏がこんなに早く辞めることになったことである。麻生氏は小泉政権時代の安倍官房長官のような、国民向けの見せ場をつくれなかった。今の麻生氏には、キャッチフレーズが足りない。アキバに行って、「私を電車男ならぬ、総裁男にしてください!」と街頭で言うぐらいの、インパクトのある麻生節がないと巻き返しは厳しいのかもしれない。

さて、民主党は福田氏が勝ったら、民主党と統一会派を組んだ新党日本の田中康夫をぶつければよい。民主党は麻生氏が勝ったら、真正面からの政策論争で攻めればよい。福田が勝ったら、国会論争で、民主党の質問時間を田中康夫に多少与えて激突させればよいのだ。「毒には毒を、康夫には康夫である」と。

マスコミは、「康夫VS康夫」とすれば、取り上げるはずである。民主党は、小沢氏と親しい田中康夫氏を、もっと丁重に扱いながらも利用すべき部分は利用すべきなのだ。福田氏が勝ったときに、その福田氏の影を薄く出来るのは若い田中康夫氏である。田中康夫氏は、以前の衆議院選挙で東京を駆け巡ったときも「そこの綺麗なお嬢さん!」と言って、有権者に気さくに握手を求めていた。知名度もアピール力もある。

民主党よ、福田氏が総裁選で勝っても恐れることはない。

そういえば、小泉チルドレンと一緒に、麻生氏の対抗馬として、当初は小泉再登板を画策した飯島氏が小泉氏の政策秘書を辞めたと報道された。これで、小泉氏は牙のない虎になったのも同じではないか。マスコミや民主党が気にしていた、「小泉新党立ち上げで政界を大再編」というウルトラCも、長年に渡り選挙で小泉氏を助けてきた飯島氏がいなくなれば、もうその芽は少なくなったのではないか。

所詮、今回の自民党総裁選は、与党である自民・公明と、民主など野党の大連合の来るべき一大決戦の前哨戦に過ぎない。

(記者:日暮影太郎)

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