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2007年09月15日(土) 23時12分

総裁選、引き締め図る福田陣営・地方票で挽回図る麻生陣営読売新聞

 自民党総裁選が15日、スタートし、福田康夫・元官房長官、麻生太郎幹事長の両陣営は支持拡大に向けた動きを本格化させた。

 8派閥に支えられた福田陣営は、「圧勝ムード」によるゆるみを警戒し、各派幹部と緊密に連絡を取りながら派閥の引き締めを図る。

 麻生陣営は得意の街頭演説で世論を味方に付け、地方票で挽回(ばんかい)を図る戦略だ。

 福田陣営は、都内のホテルの一室に総合選挙対策本部を設置し、各派幹部が交代で詰める態勢を整えた。15日の選対会議では、地方票の獲得に向け、電話作戦を始めることを決めた。

 支持派閥の所属議員の合計では当選に必要な過半数を超えるが、「今は派閥の締め付けは利かない時代だから、油断してはいけない」(津島派幹部)として、各派とも所属議員の中で麻生氏の支持に回る議員が何人いるか、情勢分析を進めている。

 陣営が神経をとがらせているのは、福田氏の支持基盤が「派閥談合」で作られたとの批判だ。福田氏は14日に自民党本部で丹羽・古賀、山崎、谷垣各派の領袖(りょうしゅう)と会談し、政策要望を受けたが、陣営内にも「いかにもイメージが悪く、あれはカメラに撮らせるべきではなかった」との声がある。

 福田氏は15日の共同記者会見で、「派閥横断的な若い人の会、いろいろな(政策)研究グループの方々に会った。決して派閥単位で、派閥中心に動いたとは理解していない」と、「派閥談合」批判に反論。陣営では、福田氏のイメージアップ対策として、「福田さんに、若い人が集まるジョブカフェに出向いてもらったらどうか」(町村派幹部)との案が出ている。

 一方、麻生陣営は、都道府県連で、総裁選の「予備選」として、党員投票を実施する動きが拡大していることをチャンスと見ている。

 選対本部長の鳩山法相は15日、総裁選挙管理委員会の臼井日出男委員長に対し、候補者単独での街頭演説活動の全面解禁を要請。16日夕に、東京・秋葉原での演説の許可を取り付けた。

 鳩山氏は、「麻生太郎の個性を光らせるのは演説だ。秋葉原は、若者文化に詳しい麻生さんの聖地で、演説すれば若者の心をとらえる」と強調する。

 陣営では、「やはり国民に人気があるのは麻生さんだ、となれば地方票に影響を与える。地方票をかなり取れば、国会議員票の動向も変わってくる」と期待する。福田陣営への「派閥談合」批判も強め、判官贔屓(ほうがんびいき)を狙う。

http://www.yomiuri.co.jp/feature/fe5600/news/20070915i1w4.htm