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2007年09月14日(金) 21時09分

消費者金融中堅「クレディア」が民事再生法申請朝日新聞

 消費者金融業界中堅のクレディア(東京証券取引所第1部上場)は14日、東京地裁に民事再生法の適用を申請し、受理されたと発表した。負債総額は757億円。上場する消費者金融業者の経営破綻(はたん)は初めて。過払い利息の返還に備え多額の引当金を積み増すなどして財務状況が悪化、自主再建を断念した。

 クレディアの再生法申請を受け、東証は10月15日付で同社株式を上場廃止することを決めた。同社は4月下旬以降、新規の貸し付けを停止していた。今後は監督委員の弁護士のもとで既存の貸金の回収を続けながら、スポンサーを探す。ノンバンクや外資系証券会社などと交渉中という。

 クレディアは昨秋から、有人・無人店舗の閉鎖や人員削減などのリストラを急ぎ、消費者金融から中小企業向けローンビジネスへと業態転換を図ったが、銀行からの新規借り入れができず資金繰りに行き詰まった。07年3月決算は約211億円の当期赤字だった。

 14日夕、東証で会見したクレディアの石尾頼央(よしなが)社長は「貸付金の総額規制や上限金利の引き下げ、過払い利息返還の『三重苦』で時間的に間に合わなかった」と悔しさをにじませた。

 貸付金残高は8月末現在、信用保証事業、割賦関連事業などを合わせて約1500億円。今後も借り手から過払い利息の請求額が増え続けると、返還請求に応じられなくなる可能性もある。現在返還請求中や、すでに和解が成立し返還額が確定しているものでも、これまでに弁済を受けていない場合は、一部カットされる可能性もある。

http://www.asahi.com/business/update/0914/TKY200709140376.html