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2007年09月14日(金) 21時57分

消えぬ油転用疑惑 海自インド洋活動、報道陣に公開朝日新聞

 防衛省は、アフガニスタン周辺での「対テロ戦争」(OEF)の後方支援を目的にインド洋に派遣している海上自衛隊の補給艦「ときわ」の洋上補給(給油・給水)を日本の報道陣に公開した。活動継続への理解を広める狙いだが、対イラク作戦への転用疑惑などを明確に否定する材料はなく、野党が求める情報開示とも隔たりがある。

 補給艦上で13日午後(日本時間同日夕)に取材に応じた派遣海上支援部隊のトップ、尾島義貴指揮官は、米軍などの対イラク作戦(OIF)向け艦船への給油疑惑について「私のところに(補給相手の艦船名が)伝わる時点で、必ず対テロの海上阻止活動に従事しているグループの船だと確認している」と述べた。だが、同じ艦船が給油後にOIF作戦に従事する可能性もある。

 海上自衛隊は、「他国軍の補給艦への補給」もしている。しかし、日本の油を積んだ補給艦の補給先などは不明で、OIFへの転用の可能性も否定できない。尾島氏はこの点について「しっかり(対テロ用に)区別されていると思う」と述べるにとどまった。

 この日補給したパキスタン海軍のフリゲート艦の名前については非公開。防衛省側は「船が特定されると、今後の任務に支障を来す」として、過去の補給船名の公開についても否定的だ。

 不審船との遭遇は「私の部隊が来てからはない」(尾島氏)という。

 近年の補給先は米国からパキスタンへと比重が移り、「ときわ」は今回派遣の8月以降、この日の給油を含め計8回の補給のうち7回がパキスタン向けだ。

 

http://www.asahi.com/politics/update/0914/TKY200709140391.html