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2007年09月14日(金) 17時01分

民間による宇宙利用はどうなっているのか?R25

先ごろ、スペインの建築家が宇宙ホテルの開業計画を発表した。高度450kmに浮かぶはずのホテルはその名も「ギャラクティック・スイート」。宇宙ホテル3泊分に訓練費用などもろもろ含めたツアー代金は300万ユーロ(約4.7億円)で、2012年開業を目指しているという。

こいつはすごいと思ったが、調べてみるともっと具体的に進捗している宇宙ホテル計画があった。アメリカの「ビゲロー・エアロスペース」だ。こちらは4週間の滞在で1500万ドル(約17.3億円)というお値段。そして、すでに2つのプロトタイプの打ち上げに成功しているという。

さて、実際こうした計画は実現できそうなのか? 宇宙航空研究開発機構(JAXA)産学官連携部の岩本裕之さんに聞いた。

「こうした計画の実現性は2つの側面から考えることができます。一つは技術面、もう一つは資金面です。『ギャラクティック・スイート』は詳細がわかりませんが、『ビゲロー・エアロスペース』はラスベガスのホテル王・ビゲロー氏がNASAの技術を丸ごと買い取って作った会社。技術的な実現可能性は高いでしょう。あとは開発資金が続くか、どれだけのお客さんがどれだけの旅行代金を払ってくれるかにかかっています」

だけど、やっぱり、宇宙利用は国家がやるべき事業とのイメージがあるのですが?

「今はこれまで蓄積されてきた宇宙開発のデータや技術が利用できるので、民間でも十分可能になってきたんですよ」

では、民間企業が宇宙へ進出するのに何か法律的な制限などはないのだろうか?

「アメリカにはNASA法のほかに商業打ち上げ法があり、許認可などを規定しつつ、民間の活動を促進する方向へ進んでいます。日本は宇宙基本法が前回の国会に提出されたばかりです。日本での法整備はこれからですね」

日本でも早く法律が整い、夢のある計画が出てきてほしいものですね。
(R25編集部)

「民間企業による宇宙利用」を見る

※コラムの内容は、フリーマガジンR25から一部抜粋したものです

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