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2007年09月13日(木) 00時54分

大阪ガス、不正受給26億円 補助金10年で22件朝日新聞

 省エネルギー発電システムの導入をめぐり、大阪ガス(本社・大阪市中央区)が取引先に虚偽の見積書を提出させて公正な価格競争が行われているかのように装い、納入先に国の補助金を不正受給させていた問題で、同社は12日、同様の手口の不正が過去10年間に計22件あり、受給した補助金は総額約26億3000万円に上っていたことを明らかにした。

 同社は同日、経済産業省資源エネルギー庁に報告するとともに、芝野博文社長を3カ月の減給処分にするなど幹部14人の処分を決めた。補助金の返還については、同庁の指示に従うという。

 大阪ガスによると、社内調査の対象とした省エネルギー発電システムの補助事業124件(97〜06年度)のうち、大阪府の食品会社や化学工場、京都府の私立大学などに設置された同社の発電システムに関する22件の申請に不正があった。納入先には最高で約4億6000万円の補助金が支給された。

 いずれもシステムの納入業者を大阪ガスと決める際に、公正な価格競争があったように装う手口。16件は同社以外に受注を希望する業者がなく、取引先などに依頼して虚偽の見積書を提出させ、複数社が競ったように見せかけていた。他の6件は大阪ガスと競合する業者はあったものの、後に辞退するなどしたため、その穴埋めに、取引先に依頼して作成させた偽の見積書を用いていたという。

 同社は補助金の不正が発覚した今年7月以降、担当者ら延べ280人を面接するなど社内調査を進めていた。

 会見した芝野社長は「痛恨の極み。言い訳できない。社会にご迷惑をお掛けしたことを心より深くおわびします」と陳謝し、不正が行われた原因について「設備の納入期限を守り、補助金交付の手続きを両立させるのが困難だった」などと釈明した。近く再発防止に向けて社外メンバーによる委員会を設置する、としている。

http://www.asahi.com/national/update/0913/OSK200709120069.html