記事登録
2007年09月12日(水) 13時48分

生活保護費3千万円着服 福岡市職員朝日新聞

 生活保護費計3117万円を着服したとして、福岡市は12日、市城南区保健福祉センター保護課に勤務していた石井博行主査(55)を懲戒免職処分にした。11日には詐欺の疑いで福岡県警に告訴している。生活保護費の支給を打ち切らなければならないケースについて事務処理をせず、支給を継続しているように装う手口で着服を繰り返していたという。

 市によると、石井主査は同課で生活保護受給者を支援するケースワーカーとして働いていた02年4月〜07年4月、8世帯への生活保護費について、収入の増加や引っ越しのため支給を停止しなければならないのに、それを隠して支給を続けているように装い、その分を着服したとされる。

 生活保護費は通常、受給者名義の銀行口座に振り込まれるが、受給者が保健福祉センターの窓口で支払い切符を受け取って現金化する例外的な方法がある。石井主査はこれを悪用し、受給者名の認め印を勝手に支払い切符に押し、区役所内の金融機関で換金していたという。

 今年4月に他の部署へ異動し、後任の職員が不正に気付いた。石井主査は「消費者金融に約1千万円の借金があり、着服金はその返済や飲酒代に充てた」と話しているという。

 石井主査は通算21年間、生活保護行政に携わっていた。森田了司・同センター副所長は「ベテランと信用してチェックが甘くなった」と釈明した。

http://www.asahi.com/national/update/0912/SEB200709120004.html