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2007年09月12日(水) 11時58分

緑資源談合、罪状認める 元理事らの初公判朝日新聞

 独立行政法人「緑資源機構」が発注した林道整備・測量事業の談合を巡り、独占禁止法違反の罪に問われた、同機構元理事の高木宗男(59)、元林道企画課長の下沖常男(57)の2被告と受注4法人の営業担当者5人の初公判が12日、東京地裁で開かれた。高木元理事ら7人と4法人の代表者は起訴事実を認めた。

 受注4法人側で起訴されているのは、財団法人「林業土木コンサルタンツ」元理事●(雨かんむりに鶴)林光久(65)▽同法人の元環境部長の橋岡伸守(64)▽コンサルタント会社「フォレステック」元取締役技術本部長の谷本功雄(65)▽財団法人「森公弘済会」元業務第2部長の金子賢治(65)▽コンサル会社「片平エンジニアリング」元企画営業部技師長の杉本●(日の下に高)佑(63)の5被告。

 検察側は冒頭陳述で、98年ごろから、当時林道企画課長だった高木元理事らが官製談合を主導したと指摘。元理事は当時の理事から「表向きは競争させていることにしておけばいい。こちらの意向に沿った形で業界の談合がまとまるはずだ」と言われ、業者の割り振りを始めたという。

 05年に下沖元課長に割り振りの役割を引き継いだ後も、元理事は最終的に承認を与えることで関与。元理事は元課長に「林野庁や緑資源機構のOBが多くいる森公弘済会などは大事にしないといけない」と伝えたという。また、談合に協力しない業者に対しては、指名業者として選定しないなどの制裁を加えていたという。

 5月に公正取引委員会の告発を受け、東京地検特捜部が捜査を進める中で、松岡利勝農水相(当時)が受注法人と関係のある団体から、政治献金を受けていたことが判明。松岡氏は5月28日に自殺した。

http://www.asahi.com/national/update/0912/TKY200709120111.html