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2007年09月12日(水) 11時21分

元外資系銀行員、2審も無罪判決 旧五菱会ヤミ金融事件朝日新聞

 暴力団山口組系旧五菱会によるヤミ金融事件で、東京高裁は12日、組織的犯罪処罰法違反(犯罪収益秘匿)の罪に問われた元クレディ・スイス香港行員の道伝篤被告(44)を無罪とした一審・東京地裁判決を支持し、検察側の控訴を棄却する判決を言い渡した。犯罪収益を海外に隠して資金洗浄に加担したとする起訴事実について、池田耕平裁判長は「犯罪収益を隠す故意があったとは認められない」と判断し、犯罪の成立を認めなかった。

 検察側は、道伝被告がヤミ金融グループ元幹部(57)=有罪確定=から預かった金について、被告と元幹部を引き合わせたとされる元会社役員(42)=有罪確定=が「元幹部が暴力団関係者だと被告に話した」とした証言などを根拠に、被告が犯罪収益だと認識していたと主張していた。

 判決は、元役員の証言について「不自然で信用性に問題がある」とした一審判決の判断を是認。「元幹部がまともな仕事で稼いでいないことを被告に隠していたのではないかとの疑いをぬぐえない」と述べた。

 東京高検の鈴木和宏・次席検事は「共犯者の証言の信用性が否定されたことは誠に残念。判決内容を十分検討し適切に対処したい」とのコメントを出した。

http://www.asahi.com/national/update/0912/TKY200709120103.html