記事登録
2007年09月11日(火) 10時32分

<発砲事件>銃撃戦で男死亡、警官も重傷 函館毎日新聞

 10日午後10時ごろ、北海道七飯町西大沼の「函館大沼プリンスホテル」前の路上で、拳銃を持った男がホテルの出入り業者の女性(39)を脅し、乗用車を奪って函館方面に逃走した。110番を受け函館中央署が強盗事件として男の行方を追っていたところ、11日午前0時35分ごろ、ホテルから南へ約20キロ離れた函館市昭和町で車を発見。停止を求めたパトカーに対し男が突然、車外に出て拳銃を発射したため銃撃戦となり、野島茂美巡査部長(53)の撃った1発が男の腹部から背中を貫通した。男は殺人未遂容疑の現行犯で逮捕され、病院に運ばれたが、間もなく死亡した。
 パトカーの運転席にいた函館方面本部地域課自動車警ら係の村井光祥警部補(55)が右腕に被弾して重傷。野島巡査部長にけがはなかった。
 調べでは、男は韓国籍で長野県佐久市の住吉会系暴力団組員、高成仁(こうせいじん)容疑者(52)。銃撃戦の現場はJR函館駅から北約5キロの川沿いの路上で、高容疑者はパトカーに向けて自動式拳銃を少なくとも3発発射し、1発が村井警部補に命中。パトカーの助手席にいた野島巡査部長が車外に出て応戦し、威嚇射撃3発を含む5発を発射、1発が高容疑者に当たったという。
 高容疑者は10日から1泊の予定で同ホテルに1人で宿泊していた。同ホテルから国内の韓国人女性に現金200万円を郵送したとの情報もあり、何らかの取引で函館周辺を訪れていた可能性がある。覚せい剤を使用した形跡もあり、同署で調べている。
 同方面本部の高木彰参事官は「現時点において警察官の拳銃使用は適正だと判断している。被疑者が死亡したことは残念だ」とのコメントを出した。【佐野優】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070911-00000033-mai-soci