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2007年09月11日(火) 08時00分

訪問介護の虚偽申請 ダスキン系、初の処分 都、指定を取り消し産経新聞

 東京都は10日、介護保険法などに基づき、訪問介護大手のコムスン(東京)、クリスタル介護センター(同)、ダスキン傘下の「ダスキンゼロケア」(同)の3社に対し、都内の訪問介護事業所計10カ所で虚偽の指定申請などの不正があったとして、事業所の指定を取り消すことを決めた。ダスキンゼロケアが事業所指定の取り消し処分を受けるのは全国初。

 取り消し処分となった都内の事業所はコムスンが2カ所、クリスタル介護センターが4カ所、ダスキンゼロケアが4カ所。いずれも、都に対する指定訪問介護事業所の申請の際、職員数を水増しするなどの虚偽申請を行っていた。

 これに伴い都では、処分を受けた10事業所などの介護報酬を不正受給と認定、コムスンに約2億3600万円▽クリスタル介護センターに約4億8900万円▽ダスキンゼロケアに約9600万円の返還を求めた。コムスンとクリスタル介護センターはいずれもグッドウィル・グループの傘下。

 一方、厚生労働省は10日、広域的に訪問介護事業を展開する135社の2177事業所を全国の都道府県が一斉に監査したところ、事業所の指定取り消し処分相当の不正を行っていた事業所が46事業所あったと発表した。10日に東京都が処分を決めたコムスンなど3社の10事業所も含まれている。また一斉監査で改善勧告を受けたのは191事業所にのぼった。

 厚労省介護保険指導室は「新たに不正が見つかった2社のケースは、改正介護保険法の施行以前の不正のため、連座制は適用されない。(介護事業から撤退した)コムスンのようなケースにはならない」としている。

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 ≪社長「故意」を否定≫

 ダスキンゼロケアの本間恒夫社長は10日、港区の本社で会見を開き、虚偽申請について「開設後に、届け出どおりの人員態勢を築く考えだった。他の拠点で働いている人の時間を借りる形で申請した」などと説明。違法性に気づかず、虚偽申請が故意ではなかったと強調した。

 都が同社に指定取り消し処分を伝えた8月27日になって事態の重大性に気づいたとも語り、「それまでは『何らかの指導を受けるのではないか』程度の認識だった」と説明。「介護事業の厳しさについての認識が欠けていた。(法令の)理解が甘かった」と陳謝した。

 指定取り消し日以降の対応については、近隣の拠点でサービスを継続し、不可能な場合は他の業者に委託する方針を示した。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070911-00000051-san-soci