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2007年09月10日(月) 15時02分

<カラス族>街頭スカウト撃退へ 警視庁が都条例改正検討毎日新聞

 街頭から「カラス族」が消える?——。黒いスーツ姿で路上に立ち、女性に「キャバクラで働かない?」などと声をかけるスカウト行為を規制するため、警視庁が東京都迷惑防止条例の改正を検討している。女性の9割が勧誘されることを不快に感じていることに加え、繁華街の周辺住民から「駅前にスカウトがたむろし、若い女性が行き来しにくい」との声が出ているためだ。年内に都議会に条例改正案を提出、来年4月の施行を目指す。【曽田拓】
 同庁生活安全総務課は街頭スカウトの実態を把握するため5〜6月、新宿や池袋、立川など都内15カ所の駅前や繁華街で聞き取り調査を初めて実施した。実際にスカウトに勧誘された女性に課員が直接声をかけ、感想などを聞いた。
 回答した女性は245人。このうち172人がキャバクラの従業員になることを勧誘されていた。「水商売しない?」「夜のお仕事、どう?」と抽象的な言葉で誘われた女性も53人いた。全体の約9割にあたる216人が、勧誘行為を「不愉快や迷惑に感じた」と回答したという。
 現行条例でも風俗店やアダルトビデオ出演の勧誘行為は取り締まり可能だが、キャバクラ従業員への勧誘や抽象的な言葉でのスカウトは対象外。スカウトが駅構内に無断で立ち入った場合には鉄道営業法違反で摘発できるが、公道上での勧誘には適用できない。今年8月には、池袋署が無許可での職業紹介業務に当たるとして、初めて職業安定法を適用したが、同法は勧誘された女性が実際に誘いに応じて店で働いたケースしか対象にできないという。
 このため、同庁は「キャバクラへのスカウト」や「立ちふさがったり、つきまとったりする執ようなスカウト」を新たな条例の規制対象とする方向で検討。11日まで都民から意見を募り、結果を受けて都議会に改正案を提出する。意見募集は同庁ホームページ(http://www.keishicho.metro.tokyo.jp)で受け付けている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070910-00000054-mai-soci