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2007年09月10日(月) 00時00分

個人情報流出1807件…06年、国と独立法人読売新聞

 総務省は7日、国の行政機関と独立行政法人での個人情報流出の実態調査結果を発表した。

 2006年度の流出件数は、国の行政機関で530件、日本郵政公社などの独立行政法人で1277件の計1807件で、前年度の計1175件の約1・5倍と大幅に増加した。個人情報保護法や国家公務員法違反容疑などで刑事告発されたのは5件(05年度1件)だった。

ウイルス感染での流出も30件

 調査は、05年の個人情報保護法全面施行に基づくもので、今回で2回目。

 国の行政機関の件数のうち、年金保険料などを扱う社会保険庁が全体の46%で246件、職業案内を行うハローワークなど厚生労働省が同33%の177件だった。独立行政法人は、日本郵政公社が全体の77%を占めた。

 前年度と比べ、流出件数は社保庁で2・7倍、厚労省で1・3倍、郵政公社で1・6倍に増えた。

 流出内容は、ファクス番号の間違いなどで、誤って関係のない人に書類など住所や名前など個人を特定できる情報を送ったケースが全体の約6割に上った。コンピューターウイルス感染などでインターネット上に流出した事例も30件あった。

 刑事告発は法務省4件、検察庁1件だった。岐阜刑務所では刑務官が独居房の受刑者に別の刑務官の名前と住所などを教えた。府中刑務所の刑務官は、自分のブログに、受刑者の氏名や所内での様子を書き込んだ。高知刑務所の刑務官は勤務時間中、受刑者の知人に対し、個人情報を含むメールを携帯電話で送信した。徳島刑務所の刑務官は、インターネットカフェのパソコンを使い、ブログに受刑者の様子などを書き込んだ。検察庁のケースは、検察事務官が犯罪歴などの個人情報を外部に漏えいした。郵政公社では、アルバイトが「有名人の年賀状があった」と個人ブログに書き込み、郵便法違反容疑で書類送検された。

 一方、内閣府が7日発表した06年度の個人情報保護法の施行状況(概要)によると、企業や団体など個人情報を取り扱う民間事業者が公表した個人情報の流出件数は893件で、05年度の1556件から約4割減った。

http://www.yomiuri.co.jp/net/security/ryusyutsu/20070910nt08.htm