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2007年09月10日(月) 16時10分

体験者の声は「影響大」 那覇で前日集会琉球新報

 岩波「集団自決」訴訟出張法廷に渡嘉敷島の「集団自決」当事者の金城重明さんが証人として出廷するのを前に、岩波側を支援する県内外の団体が9日、前日集会を那覇市古島の教育福祉会館で開いた。約120人が参加した集会には岩波書店の岡本厚さんも駆け付け「現場を知っている人にしか語れないことが裁判官に向かって語られる。裁判の帰趨(きすう)に大きな影響をもたらすことは間違いない」と、金城さんが証言する意義を強調。「最高裁まで闘うつもりだ」と、決意を述べて支援を呼び掛けた。
 岡本さんは訴訟の背景について「原告の梅澤氏らが自ら提訴したのではなく、靖国奉賛会や自由主義史観のグループが説得して起こさせた」と指摘。「日本軍の住民虐殺や自決強要、壕追い出しなどの沖縄戦の歴史をひっくり返し、住民を巻き込んだ軍の戦略を正当化しようとしている」と、原告側の狙いの危険性を強調した。
 大阪から来県した裁判支援連絡会の小牧薫事務局長は、自決に使われた手りゅう弾に不発弾が多かったのは、軍が住民に操作方法を教えなかったためで、軍が手りゅう弾を配ったことは自決命令にはならないなどとする原告側の主張の一端を紹介。「金城さんの証人尋問で原告の主張は破綻(はたん)するだろう」と述べた。
 座間味村平和学習ハンドブック編集委員の宮里芳和さんは聞き取り調査で集めた住民の克明な証言を挙げながら「(原告の)梅澤氏は自分一人の名誉回復のために島民178人の死を何と心得ているのか」と怒りをあらわにした。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070910-00000001-ryu-oki