記事登録
2007年09月10日(月) 22時13分

弁護士事務所で女性事務員殺される 大阪朝日新聞

 10日午後2時55分ごろ、大阪市中央区内平野町2丁目のマンション1階にある上田潤二郎弁護士(78)の事務所で、事務員の木内正子さん(68)が頭から血を流して倒れているのを上田弁護士が見つけ、110番通報した。木内さんは頭部を激しく殴られた跡がありすでに死亡していた。上田弁護士の事務机などに荒らされた跡があったことから、大阪府警は強盗殺人事件とみて捜査本部を設置した。

 捜査1課の調べでは、木内さんは事務所内の玄関そばでうつぶせで倒れていた。頭頂部や後頭部に計数カ所、鈍器のようなもので殴打された跡があった。凶器は見つかっていない。木内さんは玄関にあったごみ箱に頭を入れ込む形で倒れ、手などには争った傷跡が複数あった。

 事務所は一間で、左側が事務スペース、右側が応接スペースでついたてで仕切られている構造。事務スペースのみ電気がついていた。同スペースの上田弁護士の事務机の引き出しなどがあけられていた。木内さんのバッグや財布は残されており、府警は被害品の有無を調べている。

 事務所はかなり古くから開業し、上田弁護士と木内さんの2人が勤務。上田弁護士はこの日午前、自宅から直接出向いた大阪市内の弁護士会館の会議を終え、事務所に戻って木内さんの遺体を発見した。マンション住民の目撃などから木内さんはこの日、通常通り午前9時半ごろに出勤、1人で事務作業をしていたという。事務所は通常、営業時間帯の午前9時すぎから夕方までほとんどかぎをあけていて、訪問客は玄関そばのインターホンを押し、木内さんらに招き入れられるという。

 現場は、大阪市中央区の京阪天満橋駅南西のオフィス街。

 木内さんは約20年前から事務員として勤務。関係者によると、木内さんは離婚後、約5年前から大阪府枚方市内で一人暮らし。大の阪神タイガースファンで、別居の孫らに阪神のユニホームを着せるなどしていたという。同市内に住む上田弁護士の妻(73)は「夫から連絡を受け、大変驚いた。4〜5年前に事務所に泥棒が入ったことはあるが、仕事上のトラブルは聞いてない」と話していた。

 上田弁護士は1955年に司法試験に合格。大阪弁護士会に所属し、79年に同会の副会長を務めた。

http://www.asahi.com/national/update/0910/OSK200709100073.html