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2007年09月09日(日) 06時12分

厚労省装い不審電話 新手の振り込め詐欺か 河北新報

 厚生労働省や社会保険庁を装い、録音テープの音声で「還付金がある」「医療保険特別補助金の請求期限がきょうになっている」などと伝える不審な電話が7月以降、福島、青森、宮城の3県で少なくても約200件確認されていたことが8日、分かった。短期間に1つの県に電話が集中する傾向がみられ、各県の社会保険事務局は「振り込め詐欺に誘導される恐れがある」と注意を呼び掛けている。

 6県の社会保険事務局によると、不審電話は福島67件、青森125件、宮城7件。

 福島県では7月23日ごろから26日にかけ、「還付するお金があります。電話機の9番を押してください」などと告げる電話が、いわき市を中心にあった。

 テープ音声から代わった相手から現金自動預払機(ATM)に振り込みを求められるケースがあったため、福島社会保険事務局の担当者は「ほかの電話も振り込め詐欺の可能性がある」と言う。

 7月下旬には、いわき市の自営業女性(55)が年金還付を装った電話で、指示されるままATMを操作し、98万円をだまし取られたとして、いわき南署に届けた。

 青森県では8月30、31の両日、青森、八戸の両社会保険事務所管内で計84件、三沢、八戸両市で計41件あり、その後寄せられていない。宮城県の事務局には8月21日、28日、30日に大崎市などの男女から7件の相談があった。

 電話はいずれもテープ音声で、内容は「約8万円の還付手続きがなされず、今日中に手続きしてほしい」「保険料を滞納しており、本日中に8万円を支払ってほしい」とさまざまだった。

 東北のある事務局の担当者は「振り込め詐欺グループが次々手口を変える中、厚労省や社保庁の名に目をつけ、一定時期にエリアを絞った恐れがある」と推測する。

 宮城社保事務局は「厚労省や社保庁がテープ音声の電話をすることはない。不審電話があれば相手を確認し、関係機関に相談してほしい」としている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070909-00000003-khk-soci