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2007年09月06日(木) 17時03分

輪島病院職員詐欺:院長ら謝罪、納品管理体制に甘さ 発注を任せきり /石川毎日新聞

 試薬購入名目で病院から現金をだましとったとする詐欺容疑で5日、県警輪島署に逮捕された石川県輪島市立病院の元医療技術部長、神谷健司容疑者(48)。病院が長年の架空請求を見抜けなかった一因に、検査技師ら技術職員に任せきりにした納品管理体制の甘さがあった。
 同病院によると、品質がおおむね一定の薬品類は入札で納入業者を決めているが、価格で品質が変わる試薬は納入品や業者選定にも専門知識が必要。「経理部門の職員には(適正価格が)わからない」(中道秀治事務長)として、各検査技師が発注している。それでも通常は上司が確認するが、神谷容疑者は同病院の技術職員のトップで、点検する側の立場だった。
 再発防止のため、同病院はまず今後1カ月の納入品を請求書と突き合わせて同様の不正がないか点検。その際、部長職らからの発注も含め必要な専門知識を持つ2人以上でチームを組むことを徹底するとしている。
 同病院は97年の新病院建設以降、毎年赤字経営を続け、06年度の赤字額は約3億3000万円。神谷容疑者も経営改善に取り組む委員会に所属。その一方で長年にわたって病院から金をだましとった疑いがある。
 5日、記者会見した同病院の品川誠病院長は「震災で苦しんでいる方が大勢おられる中、このような事件を起こし申し訳ない。信頼回復に努めたい」と謝罪。病院や市役所にも抗議の電話が相次いでいるという。
 同市は4日付で神谷容疑者を懲戒免職処分。また、県警輪島署は5日午後、神谷容疑者の自宅など数カ所を家宅捜索し、証拠品を押収した。【泉谷由梨子】

9月6日朝刊

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070906-00000318-mailo-l17