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2007年09月06日(木) 14時44分

ネット・通販の補聴器、性能に問題多い…国民生活センター読売新聞

 インターネットや通信販売で手軽に購入できる補聴器や集音器などの機器について、安全性や性能に問題があるものが多いことが6日、国民生活センターの調べでわかった。

 補聴器は、薬事法に基づく「管理医療機器」にあたり、製造や販売について一定の基準が設けられている。集音器は、補聴器と同様、耳に装着して使うものだが、同法の基準外だ。

 同センターでは、通信販売などで売られている補聴器5銘柄と集音器5銘柄の計10社10銘柄について、安全性や性能について商品テストを実施した。

 対象の10銘柄のボリュームを最大にし、90デシベルの音を入力したところ、補聴器2銘柄と集音器5銘柄で出力の最高値が120デシベルを超えた。日本補聴器工業会では使用者の聴力を保護するため、自主安全基準で出力の最高値を120デシベル以下と定めている。また、補聴器は人の声を聞き取りやすいよう、一般的には周波数が1000ヘルツ以下の低音よりも、2000〜3000ヘルツの高音を増幅する仕組み。しかし、補聴器2銘柄と集音器5銘柄の計7銘柄で、高音よりも低音の増幅が大きくなるようになっていて、聞き取りに適さないものもあった。薬事法では、補聴器に製造販売業者名の記載を義務づけているが、1銘柄で記載がなかった。

 国民生活センターによると、ネットや通販で購入した補聴器などの苦情相談はこの5年間で212件。通信販売の商品は、特定商取引法に基づくクーリングオフの対象になっていない。

 同センターは、購入者に「医師の診察を受けた上で、専門家に調整してもらった商品を選んで」と注意を呼びかけている。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070906i506.htm