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2007年09月05日(水) 23時30分

「借入金は200万円」鴨下環境相が報告書訂正の意向読売新聞

 鴨下一郎環境相(58)の資金管理団体で政治資金収支報告書の借入金額が食い違っていた問題で、鴨下氏は5日、200万円と1000万円という異なる記載がある1996年の借入金は、自らの記憶などに基づき、200万円だったとして、まだ公表されていない2006年分も含め9年間分の収支報告書を訂正する考えを明らかにした。

 自身の貸付金などを記載した資産等報告書も訂正する。進退については、「引き続き仕事をさせていただきたい」と述べ、辞任しない意向を示した。

 資金管理団体の収支報告書で食い違っていたのは、同団体が96年に鴨下氏個人から借り入れた金の額。同年の収支報告書では、200万円としていた。ところが、98〜05年の収支報告書には、1000万円と記載し、借入金残高も97、98年分と合わせて計2300万円としていた。06年分も同様に記載していたという。

 96年の借入金が1000万円なら、200万円との差額800万円が使途不明ということになる。

 鴨下氏は5日夕、環境省で報道陣の取材に応じ、借入金額を200万円と結論づけた理由について、「私の記憶や当時の収支報告書を照らし合わせた結果」と説明。しかし、これまでの読売新聞の取材に「金額は分からない」と答えていたこととの矛盾を問われると、「もともと記憶は明確ではない」「収支報告書によって200万円ということを確信した」などと、あいまいな説明に終始した。

 98年以降の収支報告書で、96年の借入金を1000万円と記載し続けた理由として、<1>担当者が代わり、整合が取れていなかった<2>何らかの誤解に基づき、当時の収支報告書に記載された——ことなどを挙げた。また、ずさんな収支報告については、「個人の資金をつぎ込んで政治活動をしており、経理区分が十分にできていなかった」と釈明した。

 問題の借入金は、03〜05年の3年間については、当初、鴨下氏が代表を務める自民党東京都第13選挙区支部がなぜか借りたことになっていたが、この点も「たまたまそこだけ、何かのミスで間違って記載された」と話した。

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20070905it18.htm?from=navr