東京都千代田区紀尾井町にある参議院清水谷議員宿舎の移転計画について、東京都の石原慎太郎知事は５日、猪瀬直樹副知事とともに約１００メートル離れた建設予定地を視察し、「ここをつぶすのは反対」と計画に反対する考えを示した。
予定地は、多くの樹木が残されている紀州徳川藩邸跡の国有地。都の風致地区に指定されており、建物を建てる場合には、都知事の同意が必要となる。
石原知事が反対姿勢を明らかにしたことで、参議院側は、計画の見直しを迫られることになりそうだ。
石原知事は「今ある宿舎を改築したらいい。その間は（参議院のために）都がプレハブを作ります」とも述べ、近隣住民が求めている現在地での改築案に理解を示した。猪瀬副知事は「木を切ってまで、１部屋８０平方メートルもある宿舎を作る公益性はない」と語った。