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2007年09月05日(水) 22時37分

石原知事「反対」明言 参議院宿舎移転・建て替え計画朝日新聞

 参議院の清水谷議員宿舎(東京都千代田区紀尾井町)の移転・建て替え計画をめぐり、予定地の地元住民らが建設反対を訴えている問題で、東京都の石原慎太郎知事が5日、現地を視察し、建て替えへの反対を明言した。都は参院側との協議で建築に同意しない見通しで、この場所での新宿舎建設は難しくなった。

 移転先は現宿舎から約100メートル離れた雑木林で、16階建て高さ56メートル、80室の建物を約38億円かけて造る予定だった。現地は都条例で風致地区に指定され、高さ15メートル以上の高層建築が原則禁止されているため、参院側が5月、都に特例扱いをするよう協議を申し入れていた。

 この日、猪瀬直樹副知事らと視察した石原知事は「都会にこんなにすばらしい緑地があるとは知らなかった。私は反対」と語り、「新宿舎が必要と言う参院議員は現場を見てほしい。本当に必要なら現宿舎を改築すればいい」と述べた。

 猪瀬副知事も「新庁舎計画に公益性はない。都は参院の申請に同意しない」と語った。

 石原知事は8月の記者会見で、4月に入居が始まった衆院赤坂新宿舎が豪華だなどと批判されたことにふれ、「参院宿舎をつくる必要があるのかないのか、参院側の判断を聞いて判断する」と話していた。

 新宿舎をめぐっては、8月の参院議運理事懇談会で民主党の西岡武夫・議院運営委員長が新築工事凍結を提案している。

 参院事務局は「石原知事の発言を直接聞いておらず、コメントはない」としている。

http://www.asahi.com/politics/update/0905/TKY200709050366.html