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2007年09月04日(火) 00時34分

法曹資格得る卒業試験、71人が不合格 過去最多朝日新聞

 司法試験の合格者が法曹資格を得るために入る司法研修所の卒業試験が8月にあり、これまでで最も多い71人が不合格となった。最高裁が3日、発表した。71人はいったん罷免され、別の試験を11月に受けさせてもらえるよう希望を出すことになる。今回の卒業試験は、司法試験合格者が1500人規模に増やされてから2年目の期にあたることから、司法試験合格者の「質の低下」を懸念する声も出ている。

 卒業試験の対象となったのは05年の旧司法試験に合格した「旧60期」を中心とする1468人で、不合格者の割合は4.8%。試験は5科目すべてに合格する必要がある。

 不合格者は希望が認められれば、次の期の卒業試験を受けられる。今年は法科大学院の修了者を対象にした新司法試験の初めての合格者約1000人(新60期)に対する卒業試験が11月に予定されていることから、今回の不合格者はこの試験を再受験して卒業を目指せる。

 不合格者は、司法試験の合格者が1200人規模だった58期まで5人以下で推移していた。昨年の59期は今回と制度が異なり、1科目だけ合格水準に達しなかった場合は追試の受験が認められた。卒業試験で合格水準に達しなかったのは107人(7.2%)、追試を経ての不合格者は16人で、この時点で過去最多。今年の旧60期はこの数字を大きく上回った。

 追試は今年から廃止された。最終不合格者の急増には追試の廃止も影響している。

http://www.asahi.com/national/update/0903/TKY200709030367.html