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2007年09月03日(月) 13時02分

振り込め詐欺:「オレオレ」64.3%増 手口が一層巧妙化−−県警まとめ /群馬毎日新聞

 振り込め詐欺全体が減少する中で、「オレオレ詐欺」のみが突出して増加していることが県警のまとめで明らかになった。手口が一層巧妙化し、親族の実名をかたったり、巻き込まれたトラブルをより詳細に説明するなど金銭が必要な理由を具体的に示して被害者を丸め込むという。県警は後を絶たない詐欺事件に警戒意識を高めるよう呼び掛けている。
 県警捜査2課によると、7月末までの振り込め詐欺全体の被害件数は前年同期比21・3%減の129件。検挙件数は同50・9%減の50件だった。種類別の被害件数は、本人が利用の覚えのない料金を請求する「架空請求」が同59・7%減の25件、融資話を持ち掛けて保証金をだまし取る「融資保証」が同41・7%減の35件とそれぞれ大きく減少。これに対し、いわゆる「オレオレ詐欺」は実に64・3%増の69件にも上った。被害金額は全体で同1億2200万円減の2億1100万円だったが、「オレオレ」は5900万円増の1億4400万円に達し、比率は25・5%から68・2%に激増している。
 手口はどれも巧妙化し、「架空請求」では弁護士事務所を名乗って支払いを求める例や、「融資保証」では実在の金融会社の名称を使用する例などが増えているという。
 「オレオレ」はさらに悪質で、親族の実名をかたり「携帯電話を変えた」などと伝え、本人と連絡が取れないようにする。その上で「会社の金を使い込んだ」「借金の保証人になってしまった」「同僚の妻に手を出してしまった」などと説明し、親族を心配する気持ちに巧みにつけ込んでいく。こうした“窮状”は金融機関などに相談しにくいため、言われた通りに振り込んでしまう被害が後を絶たない。また「198万円」などと端数の金額を要求するのも最近の特徴という。
 同課は「振り込む前に必ず本人かどうかを確認するようにしてほしい」と強く要請している。【鳥井真平】

9月3日朝刊

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070903-00000093-mailo-l10