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2007年09月02日(日) 11時36分

改造1週間足らずで…安倍内閣、「政治とカネ」続出産経新聞

≪「身体検査」万全のはずが…≫

 8月27日に発足した安倍改造内閣に、閣僚らの「政治とカネ」をめぐる問題が続出している。安倍晋三首相は、赤城徳彦元農水相の事務所費問題を教訓に、入閣候補者の金銭問題や刑事上の問題がないかを調べる「身体検査」を徹底したにもかかわらずだ。問題の閣僚らが早期に説明責任を果たすことで乗り切りを図るが、民主党など野党は、遠藤武彦農水相の問責決議案の参院への提出を視野に入れ、安倍首相の責任を追及する構えだ。

 安倍首相は1日、記者団に対し、遠藤氏が組合長理事を務める共済組合の問題について「疑問があれば説明しなければならない」と強調した。赤城氏の問題発覚時に、説明責任が足りないとの批判にもかかわらず「(辞任とか)そういう問題ではない。赤城氏はしっかりと説明した」としたのとは対照的だ。

 与謝野馨官房長官は、問題が発覚した閣僚らに対し、(1)迅速に事実関係を公表する(2)虚偽なく説明する(3)問題であればしっかりと謝罪する−を指示している。荻原健司経済産業政務官や坂本由紀子外務政務官が未明になって緊急記者会見を開いたのもその一環だ。

 ただ、これですべての問題を乗り切れるかは不透明だ。安倍首相は8月27日の内閣改造当日に「閣僚が何か指摘され、十分に説明できなければ去っていただく」と言明しており、難しい判断を迫られることになる。

 内閣改造にあたり、井上義行首相秘書官は安倍首相のアジア諸国歴訪に同行せず、「身体検査」にあたった。政府関係者によると、リストアップされた閣僚候補は三十数人。警察などの機関に調査を指示し、資金管理団体や後援会、関係企業の税務状況なども洗い出したとされている。

 しかし、遠藤氏の場合、会計検査院がすでに不正受給を指摘していた。公明党からは「身体検査は万全といっていたのに、なぜ、こんなに問題が出るのか」(幹部)との声も漏れている。

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特集「安倍内閣」

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