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2007年09月01日(土) 08時00分

みんなのうた 人生見守る大きな木産経新聞

 NHKの長寿番組「みんなのうた」で紹介された歌「のびろのびろだいすきな木」が感動を呼んでいる。作者は奈良県在住の加藤勇喜さん。知的障害を持つ19歳の青年で、詩とアートを組み合わせた展覧会「NHKハート展」に寄せられた6316編の詩から50編の1つに選ばれた。

 ♪みんなみんながすき ひとりひとりがいきをしているから おうきなおうきな木、そらにむかっていきをしているよ

 6、7月に番組内で放送したところ、視聴者から多くの反響が同局に寄せられた。岩手県在住の30代の女性のメールには、末期がんと闘う父親の病室で聴いたときの感想がつづられていた。「涙する人ばかりの静かな空間に素敵なプレゼント。木は何があっても、そこに居てくれるんだって。ずっと立っててくれるんだって」。東京都在住の40代の女性は「子供の心が優しくなるような歌をいつまでも…」と願いを記した。

 作、編曲は、医師でありながら歌手として国内外で活躍するアン・サリー。「愛すると同時に憎んだり争ったり、人間の一生の中にある喜怒哀楽の慌ただしさを、言葉を語ることなく見守り続けている木を描いた詩にハッとした」といい、優しく歌いあげる。最新アルバム「こころうた」の4曲目に収録。同展のテーマソングに使用されている。映像は一昨年の文化庁メディア芸術祭で優秀賞を受賞した新鋭のホッチ・カズヒロが担当した。生命力を感じさせる強さと優しさが混在した絵についての感想も多いという。

 12回目を迎えた「ハート展」は、障害のある人が生活の中で感じた気持ちをつづり、その詩から伝わることを様々な分野で活躍する著名人やアーティストがアートで表現していくという企画。全国を巡回中で、東京スタジオパーク展は、12月1日から14日までNHKスタジオパーク・パークギャラリー(渋谷区)で開催される。(松本明子)


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