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2007年09月01日(土) 20時01分

審判員の誘導ミスで山崎選手「棄権」=50キロ競歩で異例の失態−世界陸上時事通信

 1日、大阪市の長居陸上競技場を発着点に行われた陸上の世界選手権男子50キロ競歩で、審判員の誘導ミスで入賞争いをしていた山崎勇喜(23)=長谷川体育施設=が周回を1周(2キロ)残したまま同競技場内に入り、棄権扱いになった問題で、大会組織委員会は同日午後、記者会見で原因を説明した。各選手の周回状況を確認する審判員の1人が山崎の残り回数を誤認し、誘導担当の審判員に指示。単純ミスと審判員同士の連係不足が重なり、スポーツのビッグイベントで異例の失態を招いた。
 周回コースは同競技場付近の道路(幅約6メートル)で、競技場に通じる通路に接する地点には選手の誘導、周回記録などを担当する複数の審判員が待機。周回記録担当はこの日、正副各1人とそれぞれを補佐する者がいた。チェックは正副2人が行い、互いに確認し合った上で誘導担当に伝える仕組みだった。
 ただ、この日は周回記録担当の配置で正副2人を離し、副担当が誘導担当に近づく形にした。50キロでは20キロ競歩より「周回遅れ」の選手が増えることから、誘導担当へ正確に伝言するための措置だという。また、道路を隔てた反対側に、歩いてきた選手の番号をマイクで伝える審判員も配置。副担当は、これを聞いて手元の周回記録用紙にチェック印を入れていた。
 問題の場面で、副担当が山崎の番号を一度聞いてチェック。20秒ほどたった後、同じ番号の声を耳にしたとして再び用紙に書き入れ、残りが1周少ないままで誘導担当に「周回終了」の旨を伝達してしまったという。本来ならここで、正副2人が照合して最終確認するが、2人が離れており、この手順が省かれた。 

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070901-00000115-jij-spo