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2007年08月31日(金) 03時00分

遠藤農水相側に、不適切献金 補助金交付先から5万円朝日新聞

 遠藤農林水産相が代表を務める自民党山形県第2選挙区支部が衆院選期間中の05年9月、農水省所管の独立行政法人から補助金の交付を受けている「山形県家畜商業協同組合」から、5万円の献金を受けていたことが30日、わかった。政治資金規正法は国の補助金の交付決定を受けた法人が1年以内に献金することを禁じている。遠藤氏側は不適切だったことを認め、同日、同組合に返金したうえで、山形県選管に政治資金収支報告書の訂正を届け出た。

 収支報告書や遠藤氏の事務所によると、献金があったのは前回衆院選投開票日の5日前にあたる05年9月6日。陣中見舞いに選挙事務所を訪れた同組合の関係者から5万円の献金を受けたという。

 農水省によると、同組合は献金した前年の04年9〜12月に、独立行政法人・農畜産業振興機構から、稲わらを集める飼育事業者への交付金約836万円、家畜飼育の奨励金約918万円の交付決定の通知を全国の業界団体を通じて受けた。

 総務省によると、現行の政治資金規正法は、国が直接、交付を決定している団体からの政治献金は違法と判断しているが、国費の事業でも独立行政法人や都道府県が交付を決定している場合は違法とまでの解釈はしていないという。

 同組合の事務責任者は選挙の陣中見舞いだったことを認め、「(遠藤氏には)家畜商議員連盟の役員も務めてもらっており、感謝の思いで激励する趣旨だった」と説明している。

 遠藤氏の事務所は「補助金を受けている団体との認識がなく、受け取った後の調べも不十分だった。こちらのミスでご迷惑をおかけし、申し訳ありません」と話している。

 農水相をめぐっては、政治とカネの問題を追及された松岡利勝氏が自殺、赤城徳彦氏が更迭され、2代続けて異例の交代をしている。

http://www.asahi.com/politics/update/0830/TKY200708300377.html