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2007年08月31日(金) 07時50分

被害減少も、巧妙化する「振り込め詐欺」 長野産経新聞

 県警捜査2課がまとめた今年の振り込め詐欺(恐喝を含む)の被害額によると、6月末現在、前年同期を1億2000万円余り下回る約1億6100万円となったことが分かった。金融機関の対策が被害減少の一因とされる一方で、金融機関でうそを言うように被害者に指示したり、郵便局の定型小包「エクスパック」を使って直接金を送らせようとする新たな事例が発覚するなど、手口はさらに巧妙化。社会情勢の変化に合わせ、知恵を絞る詐欺団の姿が浮き彫りになっている。

 捜査2課では「被害額の減少は、摘発や報道で手口が広く知られるようになったことのほか、金融機関の被害防止意識の高まり、取り組み強化が背景にある」と分析。

 こうした情勢を受けて犯人側も、被害者が金融機関に振り込みの理由を聞かれた場合を想定し、「息子がインターネットで車を買った金だ」と答えるよう、あらかじめ被害者に指示していた例もあった。多額の被害を防ぐため金融機関がATM(現金自動預払機)での振り込み上限額の引き下げに踏み切ったことで、最近では犯人が被害者に窓口で振り込みを行わせようとするケースが増えているのが特徴という。

 また「エクスパック」の利用は、融資保証金詐欺で最近頻発している新たな手口だ。郵便局やコンビニエンスストアで購入できる箱に、直接現金を入れて郵送するよう被害者に指示。窓口などで警戒する金融機関の「頭越し」に金を得ようとする。犯行には最も小さい500円の箱がよく使われており、県警で注意を呼びかけている。

 6月末現在のまとめによると、振り込め詐欺の認知件数は前年同期比9件減の150件。「オレオレ」、「架空請求」、「融資保証金」の手口3種すべてで被害額は減少しているが、認知件数では融資保証金詐欺が14件増の98件となり、唯一増加した。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070831-00000033-san-l20