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2007年08月30日(木) 01時28分

チャプリンの著作権「まだ有効」 格安DVD差し止め朝日新聞

 俳優チャールズ・チャプリン(1889〜1977)が出演・監督する映画の「格安DVD」を販売する東京都内の制作会社2社に対し、東京地裁(清水節裁判長)は29日、販売の差し止めと損害賠償約1050万円の支払いを命じる判決を言い渡した。著作権侵害だとして提訴した海外法人の主張を認めた。被告側は控訴する方針。

 対象は「モダン・タイムス」「独裁者」「殺人狂時代」など1919〜52年に公開された9作品のDVD。書店などで500円で売られている。

 訴訟では、著作権が守られる期間を過ぎているかどうかが争われた。判決は、9作品が現行の著作権法が施行される前に公開されていることから、著作権の存続期間については旧著作権法の規定を適用。そのうえで、チャプリンが著作者の1人と認めて存続期間を「チャプリンの死後38年間」とし、まだ著作権が消滅していないと判断した。

 被告側は、プロダクションなどの団体の著作名義となった場合に適用する「公開後33年間」と主張していた。「映画は1人ではつくれないので、判決の判断には納得できない」と反発している。

 原告は欧州にあるリヒテンシュタイン公国の「ロイ・エクスポート・カンパニー・エスタブリッシュメント」。チャプリンの映画の著作権を管理している。

http://www.asahi.com/culture/update/0830/TKY200708290343.html