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2007年08月28日(火) 11時08分

ネットカフェ難民5400人 4分の1が20代 厚労省朝日新聞

 住居を失い、主にインターネットカフェで寝泊まりしている「ネットカフェ難民」が全国で約5400人に上ることが28日、厚生労働省の調査で明らかになった。半数は日雇いなど短期雇用を中心とした非正規労働者で、約4分の1が20代の若者だった。若年層を中心に広がる、働いても住居費さえ賄えない「ワーキングプア」の厳しい生活が浮き彫りになった形だ。

 ネットカフェ難民の公的調査は初めて。今年6〜7月、全国の24時間営業のネットカフェや漫画喫茶計約3200店の店長や店員、一部店舗の利用者を対象に実施した。

 店舗側への調査では、寝泊まりしている利用者は全国で1日につき約6万900人。このうち7.8%の約4700人が住居を失って宿泊していた。住居がなくて週の半分以上ネットカフェに泊まる人をネットカフェ難民とすると、厚労省は全国で約5400人いると推計した。

 5400人の雇用形態別の内訳は、日雇い派遣のような雇用契約が1カ月未満の短期派遣労働者は約600人、建設現場の日雇い労働やアルバイトなどの短期直接雇用は約1200人で、長期雇用のパートらをあわせた非正規労働者は全体で約2700人。正社員も約300人おり、失業者は約1300人だった。

 年齢別では20代が26.5%で最も多く、50代が23.1%、30代が19.0%と続いている。

 東京と大阪で実施したネットカフェ難民計約360人への聞き取り調査では、住居を失った理由は「仕事を辞めて家賃が払えない」(東京32.6%、大阪17.1%)と、「仕事を辞めて寮や住み込み先を出た」(東京20.1%、大阪43.9%)が多い。平均月収は東京10万7000円、大阪8万3000円だった。

 また、約4割が路上生活を経験。東京ではネットカフェのほかにファストフード店(46.1%)やサウナ(32.1%)を寝泊まりに利用する人も多かった。

http://www.asahi.com/life/update/0828/TKY200708280056.html