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2007年08月28日(火) 07時05分

指標を注意深く見ながら、対応誤らないようにしたい=額賀財務相ロイター

 [東京 27日 ロイター] 額賀福志郎財務相は27日、安倍改造内閣の初閣議後の会見で、米サブプライムローン(信用度の低い借り手向け住宅ローン)問題について、「さまざまな指標を注意深く見ながら、対応を誤らないようにしたい」との認識を示した。
 ただ、額賀財務相は「現実的に世界のマーケットがいろいろ変動したことは承知している。日本経済の規模や影響力を考えれば、具体的な発言が適当かは、コメントを差し控えた方がいい」と市場への影響を考慮し、慎重な発言に終始した。
 政府は、今秋から消費税を含めた税制の抜本改革の議論をスタートするが、消費税議論のあり方について額賀財務相は「非常に高いスピードで少子高齢化社会に突入していくため、(社会保障など)負担増が大きくなる。社会の安定を図るためにどうしたらいいかは、(与党と野党は)お互いに共通の認識を持つ必要がある。消費税の問題を含めて議論することは大事だ」と指摘。
 その上で、「薄く広く国民に負担してもらうことが消費税の原理であり、できるだけ国民全般が恩恵を被るような使い方を考えていく必要がある」との認識を示した。
 また、財界などから要請の強い法人税の実効税率引き下げに関しては「大企業は成長力を持っているが、中小企業や地方の経済が疲弊しているのが実態。そういうところに活力を生み出していくにはどうすればいいかが当面の問題」と中小企業や地方対策が優先との見解を示した。
 一方で「グローバル化している経済・社会の中で、日本・外国の企業が我が国に投資していくような環境づくりが必要であり、世界各国とイコールフッティングを考えていかなければならない」とも指摘したが「タイミングについては議論していかなければいけない」と述べた。
 政府の財政健全化目標である2011年度の基礎的財政収支(プライマリー・バランス)の黒字化については「目標を堅持したい」と強調した。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070828-00000854-reu-bus_all