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2007年08月27日(月) 12時47分

「子どもにまず深い愛情を」 夜回り先生・水谷さん講演中日新聞

 【愛知県】「夜回り先生」として知られる元高校教諭の水谷修さんの講演会が25日、尾張旭市文化会館で開かれた。「子どもにまず深い愛情を」と訴える水谷さんの声に、約1000人の聴衆が耳を傾けた。

 県宅地建物取引業協会の守山、尾張旭、瀬戸支部が合併して設立した東尾張支部が、合併10周年を記念して主催。地域、親子のきずなをともに考えようと企画した。

 水谷さんは、リストカットをしている子どもからの相談で、けた違いに多いのが県内在住者と指摘。「教育も家庭もイライラしている県。行政の支援体制も不十分」と話し「傷ついても、大人と違って逃げ場がない。優しい子は、周囲に応えようと逃げることもできない」と、自殺する子どもが増えている問題などについて語った。

 深刻な薬物問題にも言及。「名古屋の繁華街でも出会い系サイトで組員と知り合い、覚せい剤漬けにされて売春を強要される中高生や主婦がいる。薬物乱用防止の体制は、愛知県が全国で最低」と、夜回りなどで培った経験を披露した。

 「まず地域から子どもとの信頼関係を修復してほしい。子どもが求めているのは理想論じゃなく、抱き締めて声をかける生身の救い。それが生きる力になる」と訴えた。

 (今村節)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070827-00000016-cnc-l23