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2007年08月27日(月) 03時02分

立川署巡査長、被害女性の部屋の合鍵盗み度々侵入か読売新聞

 警視庁立川署の友野秀和巡査長(40)が飲食店従業員の佐藤陽子さん(32)を射殺した後に自殺したとみられる事件で、友野巡査長の制服から、佐藤さんの部屋の合鍵が見つかっていたことがわかった。

 友野巡査長が、この鍵を盗み出していた疑いも浮上。友野巡査長は佐藤さんの留守中、この鍵で不法侵入を繰り返し、私生活を調べていたとみられる。佐藤さんの部屋の玄関はドアチェーンがなく、同庁は事件当日の今月20日も、友野巡査長がこの鍵でドアを開け、押し入った可能性が高いと判断した。

 警察官がストーカー行為の末、合鍵を使って一般人宅に侵入し、拳銃で殺害したという犯行の実態が明らかになったことで、同庁の管理責任を追及する声がさらに高まるものとみられる。

 同庁によると、友野巡査長の遺体を調べたところ制服のズボンの右ポケットから、キーホルダーについた4本の鍵のほか、2本の鍵が見つかった。このうち、むき出しのまま入っていた1本が、佐藤さんが持っていた自室の鍵とそっくりだったため、佐藤さんの部屋の玄関の鍵穴と照合した結果、合鍵と判明した。

 佐藤さんは2004年2月、現在の東京・国分寺市内のアパート1階の部屋を借り、その後、家主や管理会社に知らせないまま、玄関の鍵を業者に頼んで交換していた。

 友野巡査長が持っていた合鍵は、複製されたものではなく、佐藤さんが鍵の交換時に受け取ったスペアキーとみられる。2人の携帯電話のメールのやり取りなどからも、佐藤さんが友野巡査長に鍵を渡した形跡がうかがえないため、同庁は、友野巡査長が何らかの機会に、この鍵を盗み出したとみている。

 これまでの同庁の調べでは、2人が親密だったのは、友野巡査長が、佐藤さんが勤務する飲食店に来店するようになった直後の昨年11月ごろの一時期だけで、今年2月ごろからは、佐藤さんの方から距離を置き始め、その後、佐藤さんは、不法侵入を疑うメールを友野巡査長に送るなど拒絶するようになっていた。

 一方、友野巡査長は今年1月ごろ、佐藤さんの実家に「最近(佐藤さんと)連絡が取れない」と電話をかけてきたほか、5月ごろには、佐藤さんの行きつけの店や、交際相手の男性の名前などを調べ上げていた。

 このため、友野巡査長はかなり早い段階から、合鍵で部屋に不法侵入して、佐藤さんのプライバシーや交友相手などを探っていた可能性が高く、同庁は、いつ、どのようにして鍵を盗み出したのか調べている。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070827i201.htm?from=main2