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2007年08月27日(月) 00時00分

共犯3人結びつけた「闇の職安」実態…名古屋女性拉致ZAKZAK

 名古屋市で女性派遣社員が拉致・殺害された事件にからみ、死体遺棄容疑で逮捕された男3人を結びつけていた携帯電話サイトの「闇の職業安定所」がクローズアップされている。過去にも数々の事件で悪用された“有名サイト”なのだが、犯罪の協力者の募集や銀行口座の買い取りなど犯罪性の高い書き込みが並ぶ。書き込みに対しては法的な規制がなく、警察庁は削除要請をしてはいるが、いたちごっこが続いているのが現状だ。

 「1日4万円稼げます」「不要口座買い取ります」「白ロム高額買取中」−。このサイトの掲示板に並ぶ書き込みだ。サイトの管理者によると、開設してから500万件を超える閲覧があったという。仕事の期間や性別、地域別などに情報が区分けされていて、求人の書き込みは高額をうたっているが、仕事内容についてはほとんど触れられていない。

 しかし、実態は犯罪仲間を募ったり、非合法な取引や闇金融の融資についての書き込み、犯罪の手口紹介まである。

 掲示板には「違法行為禁止」や「警察の捜査への協力」がうたわれているが、法曹関係者が「振り込め詐欺グループが仲間を募ったり、闇金融にも利用されている」と指摘するように、サイトを通じて協力者を募って犯罪に手を染めるケースは後を絶たない。

 2005年には名古屋市で会社員の妻が、闇サイトを通じて男に1000万円の報酬で夫の殺害を依頼し刺殺させた。同年、東京消防庁職員の女が、不倫相手の妻の殺害を復讐(ふくしゅう)サイトを通じて依頼した。

 今年5月、女子中学生を監禁したとして三重県警に逮捕された男も「闇の職業安定所」で共犯を捜していた。

 こうした現状に対して警察庁も昨年6月から財団法人「インターネット協会」と連携し、「インターネット・ホットラインセンター」を開設した。1年間で約9400件の「違法情報」が寄せられ、約5600件についてプロバイダーに削除依頼をした。ただ実際の削除は約74%にとどまっているという。「現状では法律が十分対応できておらず、取り締まりもなかなか効果を上げにくい」(司法関係者)のが現状のようだ。

ZAKZAK 2007/08/27

http://www.zakzak.co.jp/top/2007_08/t2007082701.html