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2007年08月27日(月) 19時33分

「氷殺ジェット」事故相次ぐ、ライオンが製造と販売を中止読売新聞

 ライオンは27日、零下40度の噴射剤で虫を殺す新しいタイプの殺虫剤「氷殺ジェット」シリーズで引火事故が相次いだため、製造と販売を中止したと発表した。

 今年3月の発売以来、ガスレンジの火に引火して顔に軽いやけどを負うなどの事故が計20件発生しており、同日から自主回収を始めた。

 対象は、バルサンシリーズの「飛ぶ虫氷殺ジェット」と「這(は)う虫氷殺ジェット」。冷気を吹き付け、虫を凍らせるのが特長だ。殺虫成分を使用しない安心感が人気を呼び、年間100万本売ればヒットとされる殺虫剤市場で、半年間で計325万本が売れる大ヒットとなった。

 ただ、他の殺虫剤と同様に、噴射剤には可燃性ガスを使用している。このため、使用中にガスコンロの火に引火して顔に軽いやけどを負ったり、風呂釜の火に引火して網戸を焼く火災などが起こった。

 ライオンは製品の説明書きに「火気と高温に注意」と表示し、7月からはテレビや新聞広告などで、火を使う場所で使用しないよう呼びかけていた。同社では「殺虫成分を使用していないため安全という認識が利用者に広がり、火の気のある場所でも使用されたのだろう」と説明している。

 問い合わせは、相談窓口(TEL0120・670・225)へ。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070827i211.htm