記事登録
2007年08月27日(月) 11時09分

京の大学生ら、数千万円詐欺被害か 起業支援名目に借金京都新聞

 投資コンサルタントを名乗るグループが、京都の大学生から起業支援などの名目で100万円単位の現金を消費者金融から借りさせて「出資」させたまま、約束した代理返済を行わず、学生が多額の負債を抱え込む被害が相次いでいることが、26日までに分かった。京都大など京都の主要大学の学生が被害に遭い、被害学生は各大学の把握分だけで約40人に達する。被害総額は数千万円とみられる。京都弁護士会も事態を重視しており、「詐欺の疑いがある」として、グループを相手取って集団提訴する準備を進めている。
 被害者や大学などによると、出資を募ったグループは「HeeSui」(ヒースー)という組織名を名乗り、20−30代の男性5人が共同で代表を務めていたとされる。
 被害学生は京都大の約10人をはじめ佛教大、立命館大、龍谷大、京都外大、大谷大など計10大学にのぼる。学生たちは、大学やアルバイト先の友人らから「いいバイトがある」と誘われ、京都市内の喫茶店などでヒースーの代表らを紹介されたという。
 代表らは、学習塾などの事業展開に向けた出資を持ち掛け、消費者金融から100万−200万円を借りさせて全額を受け取っていた。学生はその場で謝礼として2、3万円を受け取り、「消費者金融への返済はグループが全額返済する」とする借用書を渡されたという。
 出資話を持ち出す際、ヒースー側は「国からもうすぐ1億円の補助金が出る」と話して安心させたり、ヒースーが上京区でショットバーなどを経営していると説明し、事業展開の実績があることを強調したという。
 昨年春以降、消費者金融からの督促状が学生たちに届き始め、被害が発覚した。今年2月の債権者集会で、代表は「一部のメンバーが金を持ち逃げした。だますつもりはなかった」「債権者から約7000万円集めた」などと説明したという。
 被害者3人は今年1月、ヒースーの代表3人と消費者金融会社に損害賠償と債務不存在の確認を求めて京都地裁に提訴し、係争中。さらに京都弁護士会は「泣き寝入りしている被害者もいるはず」としてプロジェクトチームを発足させ、被害学生の集団提訴を行う準備を進めている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070827-00000008-kyt-l26