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2007年08月26日(日) 03時08分

<板橋遺棄事件>返済口実に呼び出す 逮捕の役員、仲間集め毎日新聞

 東京都板橋区高島平のマンションから遺体が運び出された事件で、被害者の不動産会社社長、冨田威裕(たけひろ)さん(当時29歳)が行方不明になる直前、父親に「月末に3500万円が入る」と話していたことが分かった。死体遺棄容疑で逮捕された会社役員、篠沢大介容疑者(36)が冨田さんと会う際に仲間を集めていた疑いがあることも判明。警視庁捜査1課は、冨田さんが出資金返還を口実に呼び出され、計画的に殺害されたとみて調べている。
 冨田さんは25日の司法解剖の結果、首を絞められたことによる窒息死と判明した。また、職業不詳、須和名(すわな)聡容疑者(32)の供述などから、冨田さんが新宿区内のマンションで殺害された疑いの強いことも分かり、捜査1課は近くこのマンションを検証する。
 調べなどによると、冨田さんは篠沢容疑者と共同経営する会社に数千万円を出資、行方不明になる1カ月以上前から篠沢容疑者に3500万円の返還を求めていた。5月26日に、父親に「月末に3500万円が入る。入れば見せる」と話していたという。冨田さんは同31日夕、中央区の会社を出たまま行方不明になったことが分かっている。
 31日の外出時、三つある携帯電話のうちの一つと金を入れるジュラルミンケースを持っていったが、自宅の鍵と通勤用のカバンは会社に置いたままで、冨田さんは返済してもらった後、会社に戻るつもりだったらしい。
 一方、須和名容疑者は「31日に篠沢容疑者に呼び出されて新宿区内のマンションに行ったら、篠沢容疑者ら3人がいた。買い物を頼まれて戻ると別の男性がうつぶせに倒れており、旅行カバンに4人で詰めた」と供述しているという。【鈴木泰広、川上晃弘、佐々木洋】

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