今どき欧州でも珍しく携帯電話の電波がほとんど届かないスペイン南部ロスビジャレス村で、電波を中継するアンテナ設置の是非を問う住民投票が23日あり、1票差で設置案が否決された。「電波が健康を害するのでは」との住民の不安が、不便さを上回った形。村は当分、携帯が使えないままとなりそうだ。
エルパイス紙などによると、2000メートル近い山の陰で携帯が通じない同村の120人の村民のため、電話会社が村の真ん中にアンテナ設置を計画。しかし「アンテナから放射線が出る」とのうわさが流れ、反対する人が多く住民投票となった。その結果、反対が38票で、37票の賛成を上回った。
村長はアンテナを村から離れた場所に設置するよう求める方針だが、電話会社側は費用面から渋っているという。
同村は、アルハンブラ宮殿で知られる同国南部グラナダの北東約20キロの山間の村。
http://www.asahi.com/international/update/0826/TKY200708260120.html