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2007年08月26日(日) 11時59分

客の数百万円着服か 発覚恐れ殺害? 栃木死体遺棄朝日新聞

 栃木県那須塩原市の保険代理業、生駒文子さん(当時63)が6月から行方不明になっている事件で、県警は25日未明、生駒さんの遺体を同市内の山中に遺棄したとして、生駒さんが顧客だった商品先物取引会社「日本交易」宇都宮支店の営業課長、小西繁貴容疑者(36)を死体遺棄の疑いで逮捕した。

 その後の調べで、小西容疑者が手書きの預かり証を発行する手口で、取引に使う預託金のように見せかけて数百万円を着服していた疑いのあることが分かった。県警は着服の発覚を恐れたことが殺害の動機になったとみて調べている。

 調べでは、小西容疑者は6月3日午後10時過ぎ、那須塩原市宇都野の月山山中の土管内に、生駒さんの遺体を遺棄した疑い。

 調べに対して、小西容疑者は「車の中で首を絞めて殺害した後、山中の土管の中に捨てた」などと供述しているという。押収した同容疑者の車の中からは、生駒さんの物とみられる眼鏡が見つかった。県警は殺害の供述を支える証拠とみている。

 県警や関係者によると、生駒さんは昨年1月に同社と取引を始めた。小西容疑者が担当で、取引総額は約6700万円に上っていた。取引に使う預託金を受け取る場合は通常、同社発行の正規の領収書や預かり証を顧客に渡すことになっている。しかし、小西容疑者は、生駒さんが預託金として支払った現金計数百万円を自筆の預かり証で受け取り、私的に流用したという。

 小西容疑者は動機についてはあいまいな供述をしているという。しかし、県警は、生駒さんが自宅から行方不明になった6月3日夜、小西容疑者が着服の件で生駒さん宅を訪れ、自分の車に生駒さんを乗せて連れ出した可能性が高いとみている。

 県警は25日、朝から遺体の遺棄現場付近で遺留品などを捜索するとともに、司法解剖を実施した。

http://www.asahi.com/national/update/0825/TKY200708250203.html