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2007年08月26日(日) 11時58分

巡査長、出動後報告なし 立川署も確認せず 射殺直前朝日新聞

 警視庁立川署地域課の友野秀和巡査長(40)が飲食店従業員佐藤陽子さん(32)を射殺し、拳銃自殺した事件で、巡査長が事件直前に扱った事案の処理結果を同署に報告せず、署側も友野巡査長に尋ねていなかったことがわかった。結果として、巡査長の所在不明を署が把握したのは翌朝になってからだった。警視庁は同署に対する特別監察を通じ、勤務管理の問題点の洗い出しを進めている。

 調べでは、20日午後9時半ごろ、「浮浪者が寝ている」との通報が立川署にあった。通報は署から富士見台交番に回り、友野巡査長がバイクで現場に向かったが、その後連絡がとれなくなった。

 事件後、同庁が通報者に確認したところ、友野巡査長は現場に行き、通報者と接触していたことがわかった。しかし巡査長はその結果を署に連絡せず、署側も結果について確認していなかった。

 同庁は「署から転送して交番として扱う事案で、署が報告を求めなかったことが直ちに問題とは考えていない」としている。

 ただ、警視庁の別の署の地域課員は「現場に到着し、事案を扱ったら無線で報告するのが当然。署も何時間も報告がないのを放置するのは考えられない」と指摘する。

 富士見台交番に21日午前5時20分ごろ、パトカーの署員が立ち寄った際、交番の巡査(24)から相談を受け、同署は初めて巡査長の失跡を知った。同6時10分ごろ、署長と副署長に報告され、捜索がようやく始まった。巡査長が扱った事案について署が尋ねていた場合、失跡をより早く把握できた可能性がある。

 事件後、警視庁が同署員から事情を聴いたところ、複数の署員が「友野巡査長は普段から、出て行ってもしばらく帰ってこないことがあった」と話したという。

http://www.asahi.com/national/update/0826/TKY200708260001.html