2007年08月25日(土) 03時02分

＜東京死体遺棄＞群馬の雑木林で男性遺体発見　４人逮捕（毎日新聞）

　東京都板橋区高島平で今年６月、マンションの一室から旅行カバンに入れた遺体が運び出された事件で、警視庁捜査１課と高島平署は２４日、覚せい剤取締法違反容疑などで逮捕、起訴されていた江戸川区南小岩５、職業不詳、須和名（すわな）聡被告（３２）の供述に基づき群馬県内の雑木林を捜索し、土の中からカバンに入った遺体を発見した。
　遺体は新宿区河田町の不動産会社社長、冨田威裕（たけひろ）さん（行方不明時２９歳）と確認された。同課は、須和名被告と、練馬区谷原３、会社役員、篠沢大介（３６）▽港区六本木６、職業不詳、高科龍軌（３１）▽住所不定、職業不詳、鳥海正彦（４１）の３容疑者の計４人を死体遺棄容疑で逮捕した。ほかに男（４１）の逮捕状を取って行方を追っている。
　調べでは、４人は６月６日午前０時半ごろ、板橋区高島平１の「日神パレス西台第２マンション」２０９号室から冨田さんの遺体をカバンに入れて群馬県吉井町の雑木林まで車で運び、穴に埋めた疑い。須和名、鳥海容疑者は容疑を認めているが、篠沢、高科容疑者は否認しているという。
　室内に残された指紋から須和名容疑者が浮上。今年７月、覚せい剤取締法違反容疑（所持）などで逮捕された須和名容疑者を調べたところ、「山中に運んで埋めた」などと供述した。５月３１日に新宿区内のマンションで冨田さんの遺体をカバンに入れたと話しているという。容疑者らは振り込め詐欺などのグループとみられるが詳しい関係は分かっていない。
　冨田さんは篠沢容疑者から「出資して会社を作らないか」と誘われていたという。今年５月３１日夕、「金を返してもらうために知人に会いに行く」と言い残して会社を出た後、行方が分からなくなった。この知人が篠沢容疑者だった。
　冨田さんの両親は６月４日捜索願を提出したが、篠沢容疑者は警察に「金を返した後、車で送って新宿で下ろした」と説明していたという。冨田さんの父（６２）は、遺体が確認された２４日、「こんな結果になり、信じられない」と消え入るような声で語った。
　また、２０９号室の借り主の大久保憲義（２９）と名乗る男性は事件後、生存が確認されたものの行方は分かっていない。【鈴木泰広、川上晃弘、佐々木洋】

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