記事登録
2007年08月23日(木) 03時00分

巡査長の不明把握、7時間後 警視庁、立川署を特別監察朝日新聞

 友野巡査長による女性射殺事件では、殺害当日、巡査長が交番を出てから遺体発見まで約13時間を要した。所在不明になったのを署が把握し、捜し始めたのは、いなくなってから7時間以上後だった。巡査長は以前から勤務中に姿を消すなどの問題行動を繰り返していたこともわかり、警視庁は「職員の勤務管理が不十分だった」として、同署に対し、22日から異例の特別監察に入った。

 「浮浪者が寝ている」との通報を受け、友野巡査長が富士見台交番をバイクで出たのは20日午後9時半ごろ。通報者に接触した後、連絡がとれなくなり、交番で一緒に勤務していた巡査が巡査長の携帯電話を呼んでも応答がなかった。友野巡査長は普段から、巡回や職務質問で交番を出たまま戻らないことがあったため、巡査は不審に思わなかった。午後10時半ごろには、上司の係長が交番を巡視に訪れたが、巡査から「(巡査長は)出ている」と聞き、特に対応をとらなかった。

 巡査からの連絡で、署の当直責任者が所在不明を把握したのは21日午前5時ごろ。署は署員を動員すると同時に、本部から捜査1課の捜査員も投入、国分寺市の女性宅を特定。午前10時40分ごろ署幹部らが室内に入り、2人の遺体を発見した。

 小金井署管内にある女性宅付近では、友野巡査長とみられる男が目撃されていた。巡査長は勤務中に担当の立川署管外の女性宅をたびたび訪れていたとみられる。

 警視庁では、交番勤務員は勤務表を作成し、巡回や交番前での立ち番、休憩などの予定を決め、行動する。変更の際は勤務表を記入し直す手続きをとることになっている。幹部による交番巡視も行われているが、友野巡査長の問題行動はまかり通っていた。警視庁警務部幹部は「署員の生活、勤務の実態をどう把握していたのか調べないといけない」と話す。同庁は捜索を始めるまでに長時間かかった点と合わせ、検証する方針だ。

http://www.asahi.com/national/update/0822/TKY200708220360.html