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2007年08月23日(木) 17時34分

「別の警官、相談を放置」 女性射殺事件朝日新聞

 東京都国分寺市で警視庁立川署の友野秀和巡査長(40)が飲食店従業員佐藤陽子さん(32)を射殺し、拳銃自殺した事件で、佐藤さんの知人の男性と同僚の女性が朝日新聞の取材に応じ、佐藤さんが「友野巡査長からつきまとわれて困っている」と同僚の警察官や神奈川県警の警察官に訴えたが、「部署や管轄が違うと取り合ってもらえなかった」と話していた、と証言した。警視庁は友野巡査長のストーカー的行動が事件につながった疑いがあるとみて、ほかの警察官らの対応についても解明を進める。

 佐藤さんが勤めていた飲食店には、友野巡査長のほかにも立川署などの警察官が通っていた。取材に応じた男性によると、佐藤さんは事件前、「店に来た別の警察官に『友野巡査長の言動に悩んでいる』と相談したが、『部署が違い、名前も知らないから』と言われ、そのままになってしまった」と話した。「どうしよう」と落ち込んだ様子だったという。

 男性によると、2カ月ほど前には、友野巡査長から佐藤さんの携帯電話に1日100回前後もメールが来ることがあった。

 6月初めには自宅アパート近くで待ち伏せしていた友野巡査長にいきなり腕をつかまれ、佐藤さんが110番通報しようと携帯電話を取り出したが、奪われた。

 6月か7月には、友野巡査長は佐藤さんの実家に「陽子さんと連絡が取れない」と電話。佐藤さんが抗議し、巡査長の携帯に残る実家の電話番号を消させたという。

 佐藤さんは「住所や電話番号は教えた覚えがない。店で席を外したすきに、置いていたバッグの中の携帯や手帳を見られたのかもしれない」と話したという。

 一方、佐藤さんの同僚の女性は取材に、佐藤さんが「神奈川県警の警察官にも相談したがだめだった」と話していた、と証言。佐藤さんは「家の近くで制服で待ち伏せされた。『開けろ』と戸をがんがんたたかれたこともある」とも話していたという。

http://www.asahi.com/national/update/0823/TKY200708230220.html