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2007年08月23日(木) 16時07分

見易い?モザイク、新基準導入のビデオ倫理協を捜索読売新聞

 アダルトDVDなどのメーカーで作る自主審査機関「日本ビデオ倫理協会」(東京都中央区)が、わいせつ性の高いDVDの製作をほう助した疑いが強いとして、警視庁保安課は23日、同協会をわいせつ図画頒布ほう助の疑いで捜索した。

 これらのDVDを製作したメーカー数社もわいせつ図画頒布の疑いで捜索する。容疑の対象となったDVDは、同協会の審査を通過したものだが、同課は、モザイク処理を十分に施さない同協会の「新基準」そのものの違法性が高いとみて、今後、関係者の刑事責任を追及する方針。

 同協会に加盟するメーカーのアダルトDVDやアダルトビデオは、違法な「裏ビデオ」と区別するため、自主基準を策定して内容を審査し、わいせつ性が疑われる場合には該当部分をカットしたり、モザイク処理したりするなどの修整を義務づけられている。

 しかし、1990年代後半から「インディーズ」と呼ばれる新興メーカーの過激な作品に人気が集まり、厳密な審査をする協会加盟社の作品の売れ行きは伸び悩んだ。

 このため同協会は昨年秋から、モザイクの範囲が狭く、モザイク自体が薄い作品でも審査を通過させる「新基準」を導入。同課は、これらのアダルトDVDのうち特に修整が甘い作品を対象に、刑法の専門家らと協議を重ね、違法性が認められると判断した。

 自主審査を通過したアダルトビデオやDVDが摘発の対象になるのは初めて。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070823ic07.htm