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2007年08月22日(水) 19時53分

「前科が消えた」と実名を公表、富山冤罪事件で無罪求刑読売新聞

 富山県氷見市の冤罪(えんざい)事件を巡る再審の論告公判が22日、富山地裁高岡支部で開かれ、検察側は、婦女暴行・同未遂容疑で誤認逮捕され、服役した元タクシー運転手柳原浩さん(40)に対し無罪を求めた。

 藤田敏裁判長から意見を求められた柳原さんは、最高検が冤罪事件の再発防止策などをまとめたことに触れ、「口だけでなく実行に移してほしい」と述べた。判決は10月10日に言い渡される。

 検察側は論告で、柳原さんが罪に問われた2002年の婦女暴行・同未遂の2事件について、自供している別の被告の犯行に間違いないとし、「被告人(柳原さん)の無罪は明白であり、無罪判決を下すのが相当」と述べた。弁護側は「有力な証拠がほとんどないにもかかわらず、真実に反する供述を強要して被告人を犯人に仕立て上げた」と検察などを非難した。

 柳原さんは公判後、「無罪の求刑を受け、前科が消えたと思った」と話し、実名を明らかにする意向を示した。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070822i112.htm