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2007年08月21日(火) 13時58分

警視庁巡査長、知人女性を射殺後に拳銃自殺か読売新聞

 21日午前10時40分ごろ、東京都国分寺市東元町2のアパートの一室で、この部屋の住人とみられる女性(32)が、腹部と胸など計3か所を拳銃で撃たれて死亡しているのが見つかり、そばに警視庁立川署地域課の友野秀和巡査長(40)が左胸から血を流して死んでいた。

 友野巡査長の手には拳銃が握られており、同庁は、友野巡査長がこの女性を殺害したうえで自殺したとみて調べている。警察官が一般人を拳銃で殺害したケースは極めて異例。警察官の教育方法や拳銃の管理法なども含め、同庁の責任が厳しく問われることは必至だ。

 調べによると、友野巡査長は20日午後3時半ごろから、立川署富士見台交番に同僚の巡査と2人で勤務していたが、同9時30分ごろ、原付きバイクで苦情処理に向かって以降、連絡が取れなくなった。翌21日朝になっても交番に戻らなかったため、同署で署内の個人ロッカーを調べたところ、女性の名刺が私服の中から見つかった。

 このため同署幹部が同日午前10時すぎ、この女性が住む国分寺市のアパートを訪ねた結果、アパートの玄関のカギが開いたままになっており、室内で女性と制服姿の友野巡査長の遺体を発見した。2人は床に向かい合って座った状態で、それぞれあおむけに倒れていたという。

 同庁は、死亡した女性がこの部屋の住人とみて調べている。女性は立川市内の飲食店従業員で、友野巡査長の知人だった。拳銃は、友野巡査長に貸与されたものだった。

 アパートの家主は20日午後9時30分〜同10時の間に、銃声のような大きな音を3回聞いたと話していることから、友野巡査長は苦情処理に向かった直後に、このアパートで女性を射殺して自殺したとみられる。

 友野巡査長は1986年に同庁に採用され、2004年9月から立川署の地域課に勤務。独身で、あきる野市内の実家に両親と同居中。警察官が一般人を拳銃で殺害する無理心中事件は、50〜60年代までは各地でたびたび起きていたが、最近の事例はない。一方、今年に入って、3月に静岡県警、6月に島根県警、7月に埼玉県警で計3人が県警本部内や交番内などで拳銃自殺をしている。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070821it06.htm?from=top