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2007年08月20日(月) 03時03分

気軽に悩み相談して 女性警官に「姉妹」制度 島根県警朝日新聞

 圧倒的に男性の多い職場で、女性警察官が気軽に悩みを相談できるよう、島根県警がこの夏、警部補クラスの5人を「姉」役に任命、それぞれ10人前後の「妹」を受け持つ制度をスタートさせた。もともと、「女性に配慮した職場づくり」を検討していたところ、今年6月、出雲署内で25歳の女性巡査長が拳銃自殺したことが、「全国でもあまり聞いたことのないユニークな制度」(警察庁広報室)の導入に踏み切らせた。

女性警官、「姉」が「妹」の相談役に

 県警の女性警察官は91年に初めて6人が採用された。その後、年々増加し、今年4月現在で57人と、ほぼ10倍になったが、全警察官1460人に占める割合は約4%に過ぎない。

 セクハラについては、各署に数人ずつ相談役の職員を配置しているが、より幅広い内容でサポートが必要との意見が出ていた。女性巡査長の自殺の原因は調査中で不明だが、「ケアが足りなかった」と指摘する関係者もいた。

 新制度は、県警本部と松江、出雲、浜田、益田の4署にいる計約50人の女性警察官を5グループに分け、それぞれに1人ずつ任命した「姉」が「妹」の面倒をみるというもの。7月11日に県警本部で「姉」役が任命された。仕事に関するものからプライベートまで、メール、電話、面談など思い思いの方法で相談できる。

 企画した監察課は「階級や年齢を超えて、少しでも気軽に相談できる環境にしていきたい」。「姉」役となった女性警部補のひとりは「男性ばかりの職場では相談しづらい悩みを、遠慮なく打ち明けてほしい」と話している。

http://www.asahi.com/national/update/0818/OSK200708180180.html