記事登録
2007年08月20日(月) 23時21分

「21日、電力需給逼迫の恐れ」 東電、緊急発電を準備朝日新聞

 東京電力は20日、猛暑により21日に電力需給が逼迫(ひっぱく)する恐れがあるとして、緊急時だけ使用を認められている栃木県の塩原発電所(揚水式水力、90万キロワット)の稼働準備に入ったと発表した。定期検査で20日から運転が止まる予定だった福島第一原子力発電所3号機の検査日程も国に働きかけて再度遅らせた。東電は今夏、最大の電力危機を迎えた。

 東電の21日の供給力は6222万キロワット。これに対し、最大電力(=電力需要)予想は、東京地方の最高気温が35度になった場合6000万キロワット、36度なら6170万キロワットと電力供給は綱渡り。37度なら6340万キロワットになると想定。東電の供給能力を超えてしまう。

 塩原発電所では、需要の少ない20日夜から水を下のダムから上のダムにくみ上げ、21日の電力需要ピーク時に下のダムに向けて落とし発電する。塩原発電所を使うと6312万キロワットの供給力が確保される。

 最大電力がこれ以上伸びそうな場合は、電気料金を割り引く代わりにいざという場合に電気の使用を止めてもらう「随時調整契約」を発動する方針。これを使うと127万キロワットの電力をカットできるという。

 塩原発電所は川の水の不正利用データの改ざんで今春、国土交通省に水利権を取り消された。その後、新潟県中越沖地震で柏崎刈羽原発が全面停止となり電力不足の懸念が生じたことから、緊急時だけ使える暫定水利権を得ていた。

http://www.asahi.com/business/update/0820/TKY200708200293.html