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2007年08月18日(土) 08時32分

東京電力 週明けピーク対策 最大電力6110万キロワット予測フジサンケイ ビジネスアイ

 全国的な酷暑が続き、冷房向けで電力需要もうなぎ上り。新潟県中越沖地震により柏崎刈羽原子力発電所が全面停止中の東京電力は、企業がお盆休み中だったため今週は乗り切った。だが、週明けからは経済活動が平常に戻るため、20日からの週の最大電力を今夏最大の6110万キロワットと予測する。今夏を乗り切れるか、東電は剣が峰に立たされる。

 東電は、ピーク需要に対応するためさまざまな方策を講じる。その1つが東北、中部、関西など他電力6社からの応援融通受電で、166万キロワットを確保している。また、既存の水力・火力発電所の増出力運転で208万キロワットを追加するほか、自家発電を持つ企業から70万キロワットを購入する。

 一連の対策によって追加供給力は合計で444万キロワットとなり、稼働中の福島原発などと合わせ6245万キロワットの供給力を確保することになる。

 さらに電力供給が不足する懸念が出た場合、契約先の企業への供給を一時的に減らすことができる「需給調整契約」を約1000件結び、120万キロワットを確保。

 また、水の利用をめぐり行政処分を受けていた塩原発電所(栃木県那須塩原市、90万キロワット)を9月7日までの期間限定で緊急復帰させ、供給力を上積みする。

 このほか、9月上旬にはすでに廃止となっていた横須賀火力2号ガスタービン(神奈川県横須賀市)までが再開に踏み切り、残暑に備える。

 電力会社が夏場に最も警戒するのは冷房需要。これまでの経験則によると、気温が30度を超えた場合、気温が1度上昇するごとに最大電力は約170万キロワット増えるという。これは柏崎刈羽原発1〜5号機各基の約1・5倍にも相当する規模。このため東電は「気温が上がりすぎないことをひたすら祈っている」(幹部)状態だ。

 天気予報によると、盆休み明けには今週のような暑さが一段落する。だが、大口需要は好調を持続しているため、予断を許さない状況に変わりない。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070818-00000001-fsi-bus_all