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2007年08月17日(金) 01時25分

「白い恋人」賞味期限、11年前から改ざん指示…社長会見読売新聞

 チョコレート菓子「白い恋人」の賞味期限改ざんなどが発覚した札幌市の菓子メーカー「石屋製菓」の石水勲社長は16日に行った記者会見で、同社が4か月と定めていた「白い恋人」の賞味期限表示を、同社の在庫の状況によっては5〜6か月に延ばしていたことを明らかにした。

 この不適切な表示は、11年前から石水社長の了承の下で行っていた。北海道庁と札幌市は同日それぞれ記者会見し、石屋製菓に対して改善指示や行政処分を行う方針を示した。

 同社によると、「白い恋人」は原則として、製造日から4か月後の月末に賞味期限を設定していた。しかし、保存能力の高い個別包装フィルムを使うようになった1996年から、在庫状況に応じて、5〜6か月後の月末に設定して出荷していたという。

 一方、札幌市保健所の柏原守・食品指導課長は会見で、こうした期限延長を15日の立ち入り調査で把握したことを明らかにし、「客観的に説明できる根拠ではない」と批判した。衛生管理面についても、製造機具の消毒に使う塩素の希釈を目分量で行うなど、「ずさんさを感じるものだった」と指摘。同社の6〜7月の自主検査では、アイスクリームなどのサンプル173個のうち、66個から大腸菌群が検出されていたことも明らかにした。

 柏原課長は「白い恋人」など、全商品の消費、賞味期限の再検討や、アイス類とバウムクーヘンの細菌汚染の原因究明と改善などを口頭で指示したとした。

 また、道くらし安全課は、売れ残ったキャンペーン限定商品の賞味期限を1か月延長して再表示し、販売していたことは日本農林規格(JAS)法の品質表示違反に当たるとの見解を発表した。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070816i316.htm